SILVER

ネイティブアメリカンジュエリーとは?~ホピ・ナバホ・ズニの世界~

ネイティブアメリカンジュエリーとは

ネイティブアメリカンジュエリーと聞いて、何を思い浮かべますか?美しいターコイズの輝き、力強いシルバーワーク、自然や精霊を表現した独特のモチーフたち。

今回は、そんなネイティブアメリカンジュエリーの基礎として、代表的な三大部族「ホピ族」「ナバホ族」「ズニ族」の特徴と、それぞれが用いる石=ターコイズの魅力についてご紹介していきます。

【ホピ族:重なり合う陰影、静けさの中の力強さ】

ホピ族のジュエリーの最大の特徴は「オーバーレイ技法」。これは、上の層にモチーフを切り抜いた銀板を、酸化させて黒くした下地の銀板に重ねることで、モチーフがくっきりと浮かび上がる技法です。

例えば、太陽や大地、トカゲや雨雲など、自然や神話に基づいた図案が多く、このモノトーンのコントラストによって、静謐ながらも圧倒的な存在感を放ちます。

見た目としては、銀地の中に黒く沈んだ模様がくっきりと映え、彫刻作品のような印象を受けます。絵画的でありながら、どこか抽象的。そんな不思議な魅力がホピジュエリーにはあります。

【ナバホ族:シルバーワークの原点、自然との融合】

ナバホ族はアメリカ南西部の大地に根ざした生活を送りながら、19世紀後半からシルバーの加工を始めた最初の部族と言われています。

重厚感のあるスタンプワーク、ハンマーで叩き込まれた模様、そしてインディアンジュエリーと聞いて最もイメージされやすい、ターコイズを中央に据えた力強いバングル。

「自然に宿る力を身につける」という考えから、ナバホのジュエリーは石の存在感を最大限に引き出す構成が特徴です。特にターコイズの使用は重要で、石の個性がそのままデザインの中心に配置されます。

【ズニ族:緻密な象嵌、宝石のような芸術性】

ズニ族のジュエリーは、繊細なインレイ(象嵌)技法で知られています。極小のターコイズやシェル、オニキスなどを組み合わせ、動物や雷鳥、サンフェイスなどのモチーフをカラフルに描き出します。

まるでモザイクアートのような仕上がりで、色彩豊かな見た目は他の部族とは一線を画します。特にズニの作品は女性に人気があり、ピアスやペンダントなど小さめで細やかな作品が多いのも特徴です。

【ターコイズ:それぞれの石に宿る物語】

ターコイズと一口に言っても、その種類は多岐にわたります。

キングマン(Kingman)

鮮やかな青と黒いマトリックス(網目)が特徴。アメリカのアリゾナ州で産出され、最もポピュラーなターコイズの一つ。


ロイストン(Royston)

色はダークグリーンからライトブルー。ダークブラウンや金茶などの模様、マトリックス(混ざり合った他の鉱物)の自然な風合いが魅力で、ナバホ作品によく使われます。

ナンバーエイト(No. 8 Turquoise)

透き通るようなスカイブルーが美しく、マトリックスがほとんど無い点が特徴。非常に洗練された印象を持つ石です。

ランダーブルー(LANDER BLUE)

美しさ、量の少なさから世界でもっとも高額。非常に濃いブルー、細かいスパイダーウェブが特徴。

レッドマウンテン(RED MOUNTAIN)

非常に硬いため、宝石としても良質なターコイズ。細かいスパイダーウェブ、錆び色のマトリックスも特徴的ですね。価値の高い深いブルーもあります。

ビズビー(BISBEE)

硬い石として知られていますが、クオリティの高いブルーの石にスパイダーウェブ入りは全体の1%程度と少ないです。煙ったような色合いの「スモーキービズビー」という色味のものもあります。

いかがでしたでしょうか。
今回ご紹介したターコイズの種類はほんの一部とですが、それぞれのターコイズには個性があり、それをどう活かすかが職人のセンスと技術にかかっています。

ネイティブアメリカンジュエリーとは、単なる装飾品ではなく、大地と精霊、部族の歴史と誇りが込められたアートなのです。

次回はオンラインショップでも購入可能なバングルのご紹介になります。
ぜひ次回のブログもご覧ください。

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