LEATHER

ALZUNIのものづくり第一弾

みなさんこんにちは、ALZUNIです。

今回は「ALZUNIのものづくり第一弾」と題して、制作現場で活躍している馬場さんのインタビュー記事をお届けさせていただきます。

Q.どうしてこの財布を企画開発したのですか?

【馬場】

店舗のお客様からの声を聴いていて、既存の財布よりも厚みが薄く、でも容量は欲しい、カードたくさん仕分けて入れたい。その要望に応える為に、この財布を企画しました。

それまでの財布は、ボリューム厚みはあるがカードポケットの数が少ない財布でした。
この財布を作るのに、カードポケットは付けられるだけ付け、それでなおかつ、厚みを減らそうというコンセプトで企画をしました。

この財布は、自社財布では小銭入れをファスナーにする先駆けとなりました。
小銭入れ部分をファスナーにすることにまだ抵抗あった時代に、厚みを極力薄く考えて、やはりファスナーを使用すると決めて開発した経緯があります。

Q.この財布のこだわり部分はどこですか?

【馬場】

僕の作る多くの財布に共通するが、まず、マチの部分。このM型のマチです。

それまでの内側に大きく入り込むマチだとお札が曲がるので、それをなくすためにM型のマチを採用しました。そのマチのおかげで、お札の出し入れもしやすい構造になりました。

ポケットの上部のアール部分は、指をかけてポケットを開きやすい形状にしています。
それまでのまっすぐのパーツだと、使用していると伸びてきます。それは経年変化でなく劣化に見えます。
その部分をアールにすることで伸びにくく、長く使ってもキレイなラインになるように変更しました。

ファスナーにYKK製のエクセラファスナーを使用しているのも、こだわりの一つです。

正直、単価は高い高級なファスナーなのですが、自社製品の強靭な革に相応しいファスナーだと判断して採用することにしました。

このファスナーは耐久性が高く、ホールド感が他ファスナーとはまったく違います。

ムシと呼ばれるファスナーの噛み合うひとつひとつが研磨されていて、見てもらえばわかりますが、他のファスナーとは構造が違い、しっかりと噛み合うホールド感、また、スライダー性も優れていて、使いやすく耐久性も抜群です。

オートマティックスライダーといって、勝手に開きずらく、ちゃんと引かないと開かないようになっている点も特徴の一つです。

ALZUNIではお客様の要望でカスタムも多く、このスライダーの引手に、大きなシルバーを取り付けたりするカスタムも非常に人気がある為、重さのあるシルバーを付けても勝手にファスナーが開かないようにするためにもこのエクセラファスナーは必要で採用しました。

Q.開発で難かった箇所はありますか?

【馬場】

一番苦労したのはカードポケットがたくさんあることです。

ALZUNIでは全てのカードポケットパーツを、本物の革で作っています。
カードポケットパーツは重なっている構造になっており、カードポケットの段数を増やせば、またカードポケットの個所を増やせば増やすほど、本来財布自体の厚みはどうしても増してしまいます。

しかし厚みを減らすというコンセプトのもと、これを部分漉きという方法で解決しています。

カードポケットのひとつのパーツでも、見える部分、開く部分は厚みをおよそ1mmに、見えない部分はもう1段階薄く、およそ0.5mm~0.7mmにしています。

そうすることで、パーツが重なる部分の厚みがほとんど感じられません。
パーツの裏側を触っていただくとそれがお分かりいただけると思います。

この方法は、もちろん手間も時間も余分にかかるし、機械の刃の設定も変えなくてはなりません。
しかし、薄くて、でもたくさんのカードが収納できることがコンセプトであるこの財布を作るうえで必要な、譲れない、こだわり部分です。

開発で特に悩んだ部分はどこですか?

【馬場】

この財布のM型のマチの部分です。

平たい革を折り紙みたいに曲げるこのパーツですが、ただヒトの力で折ったりして作ると、力加減や角度で個人差があり、折れ方が違ってきます。

機械で乱暴に押し曲げると、革が割れたりすることもありました。
製造工程で作業員誰もが間違いなく折れるように、革に折れ線を付くようにしなくてはならなかず、金型を試行錯誤しながら作成して開発しました。

何度もテストしてできていったこだわりがあります。

Q.どんな方に使っていただきたいですか。


【馬場】

革財布を使ってみたいという全てのお客様です。
この形で、いろいろな革でも作れるので、男性だけではなく、女性の方にも使ってもらえると嬉しいです。

Q.この革の魅力は?

【馬場】

この財布は、合皮などは一切使わず、本物の一枚革のサドルレザーを使って作っているので、圧倒的に長持ちします。

その長持ちするうえで、毎日使う財布として、使うことで使い手それぞれの経年変化をしていくというのも魅力となります。

僕は、ほとんどメンテナンスなどしなくても、使い手の使いやすいように雑に使っていただければ良いと思っています。金具部分などは交換はできるのでメンテナンスという点でも安心してお使いいただきたいと思います。

あまり神経質にならず、その方のライフスタイルに合わせて自由にに使って欲しいと思います。

使っていく上で「もっと仕切りが欲しい」や「この裏にもカードポケット欲しい」など何かご要望があれば、ぜひ店舗またはLINE·メールなどでご相談ください。

Q.この財布から感じ取ってほしいことは?

【馬場】

例えば食べ物だと、本当に美味しいものはいつの間にか気が付いたら全部食べて無くなっているのと同じで、愛用されている方には、気がついたら、この財布を自分は長く使っているなぁと感じて欲しいと思います。

こだわりといっても、それはごく当たり前のことをしっかりおこなうということで、デザインがどうとかではなく、製造過程で、この部分はこういう素材を使う、こういう作り方をするなど、そこをしっかりおこなうこと。

この財布、長く使えるなと気が付いたときに、その理由はそこにあります。
必要なこと、正しいコトをきちんとやっている財布だということを感じて頂けたら幸いです。

今回インタビューさせていただいた二つ折りファスナー財布は下のリンクボタンからご確認いただけます。
こだわりのアイテムをぜひご覧になってください。

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