日本だけでなく世界中で愛されるシルバーアイテム。その柔らかく優しい輝きは男女問わず多くの人々を魅了し続けています。そこで今回はシルバーの歴史について、さらにはお手入れ方法までシルバーにフォーカスしたお話をさせていただきます。
シルバーの歴史
シルバーアクセサリーの歴史は古く、紀元前3000年頃の古代シュメールの都市ウルで銀を素材にして作られた宝飾品が発見されています。中世の時代には重要な装飾品を作るためにシルバーは活用されていました。キリスト教文化が台頭した11世紀以降には、十字架や聖杯などに多く使用されていたのです。そして16世紀には”新世界”と呼ばれメキシコで大銀山が発見され、これにより大量の銀がヨーロッパに流出したことで急速に広まります。やがて世界中に銀はシルバー製品として出回り発展していくこととなります。
また、シルバーアクセサリーというとアメリカインディアンの身につける装飾品を思い起こす人も多いと思います。実際に銀に装飾を施す技術の発展の上で彼等の存在は欠かせません。高い技術を持つ銀細工師たちが現れ、彼らが造る銀製品はより高度に洗練されていき、現在ある多彩なデザインが出来上がりました。
銀に記された925やsterlingの意味
銀製品の裏面などに(925)や(sterling)と刻印されていますが、これらは何を示しているのか疑問に思われている方もいるので、ご説明します。まずSterlingとはイギリスの硬貨(スターリングポンド)から来ており、貨幣鋳造の職人Easterlingにより銀貨の鋳造方法が指導され、その時の銀含有率が92.5%だった事が始まりとなります。
1300年代にはイギリスの法定品位になり、1920年まで続いたそうです。それで銀92.5%(残りの地金は銅のもの)をスターリングシルバーと呼ぶそうです。またsterlingには「本物」や「信頼できる」というような意味があるそうです。
金属アレルギーについて
お客様で過去にシルバーを着用して金属アレルギーが出てしまったという方がいらっしゃいますが、シルバー925はアレルギーが出にくい部類に入ります。925やsterlingなどの刻印もない安価なアクセサリーの場合、ニッケルなどの上にシルバーのメッキを施してもあるものが多く、汗や摩擦などでメッキが剥がれ落ち下地のメタルやニッケルからアレルギーを引き起こす可能性があるので、見た目だけではなく素材も確認してみると良いかもしれません。
銀の性質、手入れの方法
しばらく着けずに置いていたらシルバーが真っ黒になった方や、温泉に入っていたらアクセサリーが黒くなってしまったなんて経験ありませんか。錆びてしまったとか酸化してしまったと思われる方も多いのですが、実は酸化(サビ)ではなく硫化という反応が起こっています。
硫化とは空気中または温泉に含まれる硫化水素(硫黄)と化学反応した「硫化銀」という物質がシルバーを黒くさせます。黒ずみを抑えたい方は外される際に中性洗剤もしくは泡石鹸などで洗い、その後チャック袋やケースなど空気が当たりにくい箇所に入れておくことで硫化を抑えることができます。
またメンテナンス用にシルバークロスやシルバークリーナーなどもあります。シルバークロスは研磨剤入りの布になっており、細かく磨けるので全てのシルバーアクセサリーに使用できます。
シルバークリーナーは液体のタイプになっており、溝の部分やチェーンを白くしたいという方にオススメです。
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